「生活保護の受給額ってどうやって計算するの?」今回は、生活保護のメインとなる、生活扶助や住宅扶助、各加算額などについて、それぞれいくら受給できるのかをシミュレーション付きで解説します。

生活保護の支給額の仕組み

「最低生活費」に足りない額が支給される

最低生活費とは、1か月に必要な最低限の生活費のことです。その額は、生活扶助、住宅扶助、各加算額等の合計額になります。この最低生活費に足りない額が、生活保護で受給できるのです。

地域によって受給額が異なる

地域によって相場が異なる生活費や家賃については、生活保護の支給額に差を設けなければ、不平等が生じます。そこで、政府は物価や賃貸料の相場を基に、全国の地域を1~3級に分類して、これを生活扶助、住宅扶助、そして各加算額の計算に適用しました。この1~3級に分類した地域を、等級地といいます。

ちなみに生活扶助だけは、各等級をさらに2つに分けて、計6つの区分けで支給額が決定されます。一番高額になるのは、「1級地‐1」で一番少額は、「3級地‐2」です。

家族構成で受給額が異なる

家族構成によっても受給額が変わります。生活扶助や住宅扶助では世帯員の数が、母子世帯加算や児童養育加算等では養育する子どもの数が、それぞれ受給額を決めるポイントです。

最低生活費(支給額)の計算方法

1.生活扶助の算出

生活扶助とは、日常生活に必要な費用を支給するもので、生活保護費の大半を占める重要な給付です。生活扶助の支給額は、「個人的経費」(第1類費)と「世帯共通的経費」(第2類費)の2つに分けて計算されます。どちらも、等級地と世帯員数で受給額が決まります。

・「個人的経費」(第1類費)…飲食物費、被服費など個人単位で消費するものにかかる費用。
・「世帯共通的経費」(第2類費)…電気、水道、ガス料金や、家具家電など、世帯全体にかかる費用。なお、寒冷地には、冬季に、地域別に暖房の手当となる加算額が設定されています。