生活保護の受給世帯数は、年々増加しています。平成2年の受給世帯数は約60万だったのですが、平成29年2月では約164万世帯にまで増加しました。増加の理由は、年金制度の崩壊や、非正規雇用の増大が背景にあると考えられています。
そこで今回は、生活保護の受給を検討している方たちに向けて、生活保護を受けるために必要な2つの条件を解説します。
生活保護を受けるために最も基本となる条件を解説
生活保護を受けるための条件はこの2つ
生活保護を受けるための条件は、原則的にはこの2つです。
1.現在使えるお金が、生活に必要なお金を下回っていること
2.お金に換えられる財産が他にないこと
2.お金に換えられる財産が他にないこと
「えっこれだけ?」「もっと他にもありそうだけど…」と思われるかもしれませんが、法律の上では、このいずれも満たした場合に生活保護を受給できることが定められています。それでは、この条件を1つずつ見ていきましょう。
「現在使えるお金が生活に必要なお金を下回っている」とは
生活に必要なお金とは、生活に必要な世帯収入のことです。これを生活保護制度では、「最低生活費」と呼んでいます。最低生活費は、住んでいる地域や世帯員の構成などで決定されます。そして、世帯収入と手持ちのお金を足し合わせ、最低生活費に不足している分を受給できるのです。
「お金に換えられる財産が他にないこと」とは
お金に換えられる資産とは、例えば、土地や建物、有価証券、車、貯蓄性の高い保険などがあげられます。つまり、お金に換えられる資産があれば、基本的には売却しなければならないのです。
有価証券(株券等)や使用していない土地建物であれば、売却は仕方ありません。けれど、現に生活や事業に使っているものについては、必ずしも売却する必要はありません。もし、大したお金にならないのに、これらをむやみに売却すると、ますます生活が困窮し、本末転倒となってしまうからです。これらは、ケースワーカーと相談、ということになります。